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いのちの声を聞きたい

まりこ:言語的な言葉と、いのちの言葉ってどう違うの?私も体感的には分かるんだけど、どう説明したらいいかな?

くみこ:ねぇ。あれ何ってなんだろうな。すごく興味があるね。プロセスワークにしろ、オープンダイアローグにしろ、アプローチは違うけど、目指しているのは多分そのいのちの声をお互いに聞き合うっていうことなんだろうね。

うーん。

民謡とかもそうだよ。私の中では。

あっ、そうなんだ。


民謡ってさ、唄われなくなったらなくなっていく。生き物のようでさ。日本の民謡ってもう本当に危険な領域まで来ていると思うんだけど。民謡唄っていると、昔の人たちのいのちを感じるんだよね。

私は沖縄民謡だけど、歴史に書かれなかった庶民の言葉を、女性たちの声が、唄になってるわけだから。全然きれいごとばっかりじゃないんだけど。夜遊びして楽しいよ~みたいな唄とか。あの人のことが恋しくて頭が狂いそう、みたいな唄とか。戦後で、毎日毎日、お芋ばっかり食べてるけどお母さんのお芋ってやっぱり美味しいなぁ、とかさ。こういうことこそがいのちの声。だから、民謡は私にとっては過去の人とのダイアローグなんだよね。

あーそうなんだ。そう聞くと民謡の見方がかなり変わる。

そう民謡はすごいよ。周辺化された先住民たちは、唄で残すって言われてる。文章に残すとリスクが大きいから。唄で暗号的につないでいくって言われてるんだよね。すごいテクノロジーだなと。そこにも関心がある。

そっか。それを唄うことで、過去の人たちとダイアローグしてたんだっていうのが、私はすごい感動してる。

そうなのよ。ダイアローグってそこまで含んでるんだよね。民謡もそうだし、あとファスティング、断食も私の中でダイアローグなんだよね。

そうなの?ええーもうちょっと聞いていい?

断食すると体がリセットされて、自分の体の声がいっぱい聞こえるようになるんだよね。好転反応が出たりとか。

普段は、手が届くもので、いろんなものを入れて、わけわかんなくしてるわけ。自分の体の状態を。身体の状態があんまり聞こえないように生活しやすいのが、現代社会の状態なんだけど。私もそこにハマってるわけなんだけど。そこを一回リセットすると、今、本当に自分の体が何を必要としているか、どういう状態なのかっていうのが、よく聞こえるようになる。

そう。身体とのダイアローグで身体性とつながると、自分の命ともつながりやすくなる。だから宗教で定期的に断食するのは意味があるんだろうなって思う。

いろんなものを食べてさ、自分の声が聞こえなくなっていくって、それってまさに異質なものを自分の中に入れて。まあ、そういう意味では外界と自分とのダイアローグになるのかな。

それはダイアローグじゃなくて、流されている状態。ダイアローグは、これを食べる食べない、自分の身体と向き合って、選ぶってことだから。

普通に食べてるだけではダイアローグにならない?

普通に今あるものを食べてるって状態って、社会が用意された環境にひたってるだけかもね。コミュニケ―ションでいったら、おしゃべりとか、ひたすらだべってる状態。

そうかじゃあ食べない期間を作って、身体とのダイアローグをして。そこ今必要なものを食べるっていうところに行く行為は、今必要なものを身体と対話して食べるっていうのはダイアローグ。

今必要なものがわかる。自分が選ぶっていうのがダイアローグだと思うんだけど。一番近い店に行って、一番安いものを買う。これはダイアローグじゃないっていう感じ。

わざわざ出かけていって、無農薬のものを手にするとか、地産地消をモットーにする、そういうスタンスを作っていくのはダイアローグの結果だと思う。

うーん。なんか今聞いてみたくなったのは、食だけじゃないかもしれないけど、それって可能なのかな現代社会で。

なかなか厳しいとは思う。だからそういう人たちが集まってコミュニティを作ったりとかみんなで近くに住むスタイルになるんだろうね。

この消費社会、資本主義にどう向き合っていくかっていうところに、今きてるっていうか。それはすごく大きい社会的なダイアローグになってきているよね。本当にこれでいいのかなって。いろんな人が思い始めてる。

ここから、どうダイアローグ的な世界に進んでいけるのかな。

うーん。でも、やっぱりいのちの声を引き出すことかなって。みんな頭で考えて、これがいい、と思って。今ここまで人間社会は来てるけど。はたと気づけば、それって本当かなとなっているわけじゃない。

本当にこのまま行っていいの?本当に地球ってもつの?という状態まで来てる。私たち、本当はどうしたかったんだっけ?って。

一部の会社では、例えば長時間働いて、出世して、お金持ちになる、それがいいことです。ではないよね、と始めている会社もあるわけで。新しい夢を描き出したり、新しい生き方や、活動の仕方を始めてる人が、いっぱい増えてきてるなと思う。そういう人たちはどういう人かっていうと、やっぱり自分のいのちの声で喋ってる。そういう人たちに惹かれて、また人が集まって、その活動が少しずつ大きくなったり、小さくなったりするのかなと思う。

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