逆カルチャーショック期

〈​帰任後すぐ~12ヶ月ほど

◆果たして、同じ場所に「戻って」きたのだろうか?◆

海外でチャレンジングな経験をし、さまざまな学びを得て帰任すると、3つの理由から、強い逆カルチャーショックを体験する傾向があります。

1) 知らぬまに変化した自分自身のアイデンティティ
2) 元いた組織の人的ネットワークやルールなどの変化
3) 帰任後に対してポジティブな期待を抱きやすい

皮肉なことに、本人が赴任先にうまく適応していた度合いが高ければ高いほど、
このショックは大きく、長引く傾向にあります。

ところが当人は、「元に戻る」という考えから、以前の自分の記憶を頼りに、
「このように上手くいくはずだ」と楽観的な物語を予想していることが多いのです。

実際は、自分も周囲も変わってしまっています。予想は見事に裏切られていきます。
その結果、周囲との関係が以前より希薄に感じられたり、以前取り組んでいた仕事が
色あせて見えたりする、といった印象を多くの帰任者から聞かれます。
中には、「同じ会社に戻ったはずなのに、まったく違う会社に来てしまったようだ」と語る人もいます。

自分の予想や期待が次々に外れていく過程で、多くの帰任者は、
だんだんと所属している組織や仕事内容に対して、「こんなはずではない」と批判的な意味づけをし始めます。

予期せぬカルチャーショックに対する自然な防衛反応として、現状を批判せずにはいられないとも言えるでしょう。

「ここでは、自分は必要とされていないのではないか」
「自分は競争から取り残されてしまったのではないか」
「自分の経験をもっと活かせる場所が他にあるのではないか」

この予期せぬカルチャーショックは、帰任者にとっての、大きな落とし穴であると言えます。

駐在員は「帰任」するわけですが、実際には私たちは、元の時間や場所に「戻る」ということはないのです。
あるグローバル人事の方は、こんな風に表現していました。

「キャリアというのは、『川の流れ』のようなものなのだと思います。川は、常に流れているので、たとえ同じ川の同じ場所に飛び込んだとしても、タイミングがちがえば、そこは違う川です。
まったく同じところに戻る、ということは決してない。一見同じように見えたとしても、そこはすでに全く違う場所なのです。

私たちは、たとえ帰任時に駐在前と同じような条件がそろっていたとしても、
まったく新しい職場に来たのだ、という考えで臨むべきなのです」

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